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部活がなくなってからは、三題噺を自分でやったりしています。
低音です。


一応リハビリと言うかそんな感じで書いてます。
修理屋は三題噺のほうが書きやすいんです。
ただ、お題はなんだったか忘れてしまいましたごめんなさい。
それでは、追記からどうぞ。
修理屋と青春カップル


「修理屋さんって、魔法を使ってるみたいね」
 そう言われて少女は顔をあげた。長い金髪を後ろに結い上げ団子にした髪型でラフな格好をしている少女は青い目で先ほどの言葉を放った相手を見つめる。彼女が、この街で唯一の修理屋を営んでいる修理屋と呼ばれる少女だ。
修理屋の目の前には肩に着くぐらいの茶髪で毛先があちこちに跳ねている女性が見つめ返している。
「そお?」
 修理屋は手元にある赤色のリボンに視線を戻し修復を進める。
「いつもそう思うの。修理屋さんに修理を頼むと、どこが壊れてたのかわからないくらい綺麗に直してくれるから」
 茶髪の女性はリボンを見つめた。このリボンは彼女が修理を依頼したリボンだ。出かけていた途中で小枝にひっかけて破いてしまったという。
「それはどうも」
 修理屋は嬉しそうに笑いながらリボンを直していく。もうどこが破けていたか解らないくらいには直ってきた。
「はい、直った」
 修理屋は女性にリボンを差し出す。
「ありがとう」
 女性はリボンを受け取ると髪を結いあげ始めた。
「今日はおめかししてどこかにお出かけ?」
「ちょっとね、遊びに行くだけ」
 つん、とした態度をとる女性は髪を綺麗に結い上げ終えると、鞄を探る。
「修理代はいくらになる?」
「いいよ。サービス」
「え? いいの?」
 女性は驚いた顔をして、すぐに不安そうに「でも」と言う。
「いいのいいの。デートかなんかでしょ?」
 修理屋がにやつきながら言うと少女は顔を赤くした。
「そ、そんなんじゃないもん」
 急によそよそしい態度をとる女性は何とも初々しい。
「またまたー。可愛いよ。赤いリボンも赤い洋服も髪の色によく似合ってる。ね、ね、誰とお出かけ?」
 女性は顔を赤らめつつ少し考えるふりをして、仕方ないといいたげだが、どこかまんざらでもない様子で答える。
「ちょっとね、ある人にお出かけに誘われたの。だから、そのお出かけにちょっと付き合ってあげるだけ」
「あはは、素直じゃないねー」
「何よ。からかって」
「ごめんごめん。時間大丈夫なの?」
「そろそろ行かなきゃと思ってたの。
リボンありがとう。そのうち埋め合わせさせてね」
女性は手をひらひらと振って修理屋の家を後にした。修理屋はそれを見送り、畳に寝転がる。
「いいねえ、恋って」
 昼寝でもしようと座布団を二つに折り曲げた所でまた客が来た。
「すみません!ここって修理屋さんですよね!?」
 今度の客は男だ。かなり慌てている様子。
 修理屋もすぐに立ち上がって玄関に近づく。
「はいはい、ここは修理屋ですよ。依頼ですか?」
「あ、はい、ええと、これ! すぐに直せますか?」
 男は手に持っているものを修理屋に突き出す。勢いがついていたので修理屋は一瞬ひるむが、手に取って渡されたものを見る。
「えっと、眼鏡?」
「そうなんです。さっき、うっかり落として踏んじゃったらつるが折れてしまって!」
「時間はどれくらい?」
「ぎりぎりで十五分くらい」
「わかりました。すぐ直すんで」
 修理屋がとっとと作業場に潜ると、男はその場に座り込んだ。
「上がってお茶とか飲んで待っててくださいねー!」
 作業場から修理屋の声が飛んできた。
男はその場で慌てるもすることがなくてとりあえず言われたとおり家に上がる。
しかし、やはり落ち着きがない。何か急いでいるのだろうか。
十分経たないうちに修理屋が出て来た。
「一応かけてみて」
 男はすぐに眼鏡を受け取りかける。
「ああ、よかった。直って」
「気になるようだったら、用事が終わった後でまた来てください。安くしときますよ」
「すみません、じゃあまたその時にお代を……」
「良いですよそんなの。急いでるんなら早く行った方が良いと思いますよー」
「ああそうだ! すみません本当に! ありがとうございました!」
 男はまた慌てて修理屋の家を飛び出す。途中でこけそうになるが何とか持ち直しながら走り去っていった。
 それを、また見送りながら修理屋は今日は騒がしい日だと笑って呟いた。

 その夕方。赤いリボンを揺らして、女性が訪ねてきた。修理屋は女性にお茶を出して今日の出来事について耳を傾ける。
「お出かけは、悪くはなかったわ。向こうが遅刻してきたけれど」
 少しふて腐れたような様子を見せるが、それでもどこか嬉しそうな雰囲気は隠しきれていない。
「それは良かったじゃない。それで、どこまで進んだのよ」
「まだそんな、恋人と言えるようなことはしてないわ。そんな雰囲気が出来ても、あの人ドジだからすぐに壊れちゃうし。今日だって、遅刻してきた理由が来る途中で眼鏡落として踏んづけて壊れたから修理してた、とか言ってたし」
「ああー……」
 修理屋は眼鏡の修理を頼みに来た男を思い出す。
「その後は、一緒にお茶したり話をしたりしたけど、楽しかった」
 女性は湯呑の中のお茶を見つめながら、今度は隠そうとしないで嬉しそうにほほ笑んだ。
「ああでも……」
 しかし、すぐに曇ってしまう。
「なんかしたの?」
「私ったら素っ気ない態度ばっかりとって……あの人呆れてないかしら」
 そう不安そうな顔をして落ち着かない女性は誰から見ても恋する乙女である。修理屋はそう微笑ましく思った。
「そんなことはないんじゃない。だって、本当は今日が楽しみだったみたいだし、だから頑張ってお洒落もしたんでしょ? 大丈夫だよ。きっと」
 女性は冷めてしまったお茶を見つめている。それから、また口を開いた。
「そうね。そうよね、きっと」
 どこか安心したように言葉を繰り返した。
 修理屋はうんうんと頷いて煎餅をかじろうとして手を止めた。
「あ、そうだ。大福があるんだけど食べない?」
「大福、良いわね。私大福は大好物なの!」
 女性が上機嫌に言い、修理屋は棚から大福を取り出して二人で大福を分け合いながら、女性のお出かけの話を聞いた。その時の女性はとても楽しそうだったという。









いつも通り良くわからない話ですが。
つまり、その。恋っていいねって言うお話です。


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【2014/03/31 00:26】 | 修理屋シリーズ
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